まえがき
第I部 水俣病の恐るべき実態
第1章 水俣病とはなにか―その医学的実態―
1 水俣病の医学的な定義
2 水俣病の重大性
3 発生率
4 死亡率(致死率)
5 臨床症状―その悲惨な実態
6 病理学的所見について
7 胎盤経由の中毒発生
8 治療―きめ手になる治療法は期待できない
9 新しい型のメチル水銀中毒発生の可能性
10 メチル水銀汚染は終っていない
11 水俣病の概念について
第2章 患者・家族の実態
1 廃疾とならされ、生き残っているものたち
2 チッソ水俣工場によって『健康体』と査定されている患者たちの実態
第Ⅱ部 水俣病発生の因果関係
第3章 原因究明のあゆみ
1 水俣病の発見
2 原因は新日窒水俣工場の排水にあり
3 排水中の原因物質を追う
4 原因物質のわり出しは困難をきわめた
5 水銀が浮かびあがる
6 ついに、メチル水銀化合物がつきとめられる
7 水俣病の研究は終っていない
第4章 メチル水銀化合物
1 メチル水銀化合物の毒性
2 メチル水銀化合物が水俣病の原因物質である根拠
水俣病の特徴はメチル水銀化合物による中毒と一致する/メチル水銀化合物の確認/メチル水銀化合物による水俣病の再現
第5章 水俣病発生のメカニズム
1 メチル水銀化合物は新日窒水俣工場アセトアルデヒド製造工程で生成された
2 メチル水銀化合物は工場から排水溝を通じて流出した
3 たれ流されたメチル水銀は魚介類に蓄積された
4 メチル水銀化合物は遂に人および動物に水俣病を発症させた
第III部 水俣病におけるチッソの過失
第6章 「過失」とはなにか
1 過失の意義
2 注意義務の内容
注意義務の程度―高度な注意義務/注意義務の内容―安全確保義務
3 チッソの論理
チッソは無過失を主張する/チッソの論理の分析
4 われわれの過失論の構成
第7章 チッソの企業体質
1 基本的視角―安全性の考え方
2 チッソは安全無視型企業の典型であった―チッソ技術の分析
チッソは自ら日本における最高水準の技術を誇る企業であった/代表的な二つのアセチレン有機合成技術の分析/チッソの技術分析からみた企業体質
3 水俣工場の危険性
企業体質からくる危険性/化学工場としての水俣工場の危険性/水俣工場廃水の危険性
4 水俣工場の危険性の現実化―労働災害・環境汚染の発生
水俣工場の労働災害/水俣工場による環境汚染
第8章 チッソは危険防止のための研究・調査を怠った
1 チッソはいかなる研究・調査をなすべきであったか
2 事前の環境調査の怠り
水俣湾及び水俣川川口の環境条件/チッソの環境調査の怠り
3 廃水の成分と流量の研究・調査の怠り
製造工程から見た廃水の研究・調査/廃水の分析/流量の測定
4 廃水処理方法の研究・調査の怠り
廃水をできるだけ排出しないようにする研究/具体的な廃水処理方法の研究
5 環境の監視調査(事後調査)の怠り
水俣湾の汚染/漁業被害の発生/人間の発病
6 水俣病正式発見後も研究・調査を怠りつづけた
7 チッソの有した水質汚濁についての知識と研究・調査の怠りを支えた意識
第9章 チッソは危険の発生を予見すべきであった
1 工場廃水による環境の汚染
工場廃水の危険性と廃水処理の必要性/日本における環境汚染の問題化/微量の有毒物質による環境汚染/廃水にたいする法的規制の動き
2 チッソは危険の予見を怠った
安全性不明の廃水の放出/環境の異常事態の発生/患者発見による問題の重大化
第10章 チッソは危険防止の措置をとらなかった
1 廃水処理の原則と方法
2 チッソは廃水を無処理排出した
チッソは処理原則すら守らなかった/チッソは廃水を無処理排出した/無処理排出は変わらなかった
3 チッソの強弁―人殺しの論理
4 泥縄式の廃水処理
チッソの説明/泥縄式の廃水処理の実態
第IV部 加害者チッソの行動様式
第11章 チッソは原因究明を怠り研究を妨害した
1 チッソは、自らの原因究明を怠ったのみか、内部における原因究明の努力に対して妨害さえ行った
2 チッソは、自ら行った実験の結果を秘匿し、そのため原因究明を遅らせた
3 チッソは、熊大を中心とする外部の研究に協力しなかったばかりか、
その努力に対して妨害さえ行って、原因究明を遅らせた
4 チッソは、非科学的な反論を提出し、また異説を利用することによって真因の断定をまどわし遅らせた
資 料
水俣病年表/水俣病認定患者名簿/水俣工場関係資料/訴訟関係資料/参考文献
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解説 『水俣病にたいする企業の責任―チッソの不法行為』《復刻版》
富樫貞夫
解題 『企業の責任』と水俣病研究会の歩み―増補・新装版に寄せて
有馬澄雄
増補・新装版 編者注
増補・新装版 あとがき
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